YouTubeで動画が100万回再生されると、いったいどのくらいの収入になるのでしょうか？
再生数は一つの大きな目安になりますが、実際の収益は動画のジャンルや視聴者層、広告の種類によって大きく変動します。
本記事では、YouTubeで100万回再生された場合の収益目安をはじめ、再生回数別の広告収入の目安や収入を左右する要因、広告以外の収益源についても詳しく解説します。
YouTubeで100万回再生すると収入はいくら？
YouTubeで100万回再生を達成したら、どれくらいの収入が得られるのでしょうか？
結論から言うと、動画の内容や視聴者の属性によって大きく変わるため一概には言えませんが、一般的な目安は以下の通りです。
YouTubeで１００万回再生された場合【通常動画】
YouTubeの広告収益は、「CPM（Cost Per Mille／広告1,000回あたりの単価）」に基づいて決まります。CPMはジャンルやターゲット層によって異なりますが、日本のYouTubeでは再生回数1回あたりおおよそ0.1円〜0.5円が相場とされています。
したがって、100万回再生の収入は次のようになります。
| 単価（1回あたり） | 収入の目安 |
|---|---|
| 0.1円 | 約10万円 |
| 0.3円 | 約30万円 |
| 0.5円 | 約50万円 |
100万回再生の収入【通常動画】
この金額はあくまで広告収益のみで、企業案件やグッズ販売、スーパーチャットなどを含めると、さらに増える可能性があります。
YouTubeで１００万回再生された場合【ショート動画】
YouTubeのショート動画が100万回再生された場合、収入は通常の動画よりかなり低くなる傾向があります。
現在（2023年2月以降）は、ショート動画にも広告が挿入されるようになり、収益化が可能になりましたが、広告の入り方や仕組みが通常動画と異なるため、単価は大きく下がります。
YouTube のショート動画での広告収入は、以下が一般的な目安です。
| 単価（1回あたり） | 収入の目安 |
|---|---|
| 0.01円 | 約1万円 |
| 0.02円 | 約2万円 |
| 0.03円 | 約3万円 |
100万回再生の収入【ショート動画】
つまり、100万回再生されても1〜3万円程度しか得られないケースが多いです。
YouTubeの収入を再生回数別に解説！
ここでは、一般的な単価（再生1回あたり0.1〜0.5円）をベースにした収入目安を、再生回数ごとにご紹介します。
| 再生回数 | 0.1円単価 | 0.3円単価 | 0.5円単価 |
|---|---|---|---|
| 1,000回 | 約100円 | 約300円 | 約500円 |
| 1万回 | 約1,000円 | 約3,000円 | 約5,000円 |
| 10万回 | 約1万円 | 約3万円 | 約5万円 |
| 100万回 | 約10万円 | 約30万円 | 約50万円 |
| 1000万回 | 約100万円 | 約300万円 | 約500万円 |
| 1億回 | 約1,000万円 | 約3,000万円 | 約5,000万円 |
再生回数ごとの収入シミュレーション（通常動画）
このように、再生回数が増えるほど収入も大きくなりますが、それ以上に重要なのが「再生の質」です。次の章では、収入を左右する５つの要素について解説します。
同じ100万回再生でも大きく違う！収入を左右する5つの要素とは？
YouTubeで100万回再生を達成したとしても、収入が10万円の人もいれば、50万円を超える人もいるのが現実です。
その理由は、単に再生数だけでなく、「どんな再生だったか」によって収益が大きく左右されるためです。
ここでは、YouTube収益に影響を与える5つの重要な要素を解説します。
①動画のジャンル
YouTube動画の広告収入は、同じ再生回数でも動画のジャンルによって得られる金額が大きく異なります。
これは、広告主がそれぞれのジャンルに対して設定する広告予算や広告単価に違いがあるためです。特定の分野には、より多くの広告費が投じられる傾向があります。
具体的には、以下のようなジャンルは広告単価が高くなり、より高い広告収入を期待できる傾向にあります。
- 不動産
- 金融
- 投資
- 健康
- 美容
- 学習（教育系）
- ビジネス
- IT
- ガジェット
- 海外向け日本コンテンツ
- ペット系
- AIを活用した解説系
これらのジャンルは、視聴者が商品やサービスへの購買意欲が高かったり、専門職や高所得者層といった特定の視聴者層が多い傾向があるため、広告主にとって魅力的なのです。特に、お金を持っているシニア層をターゲットにした動画も広告単価が高めになりやすいとされています。
一方で、エンターテインメント系やゲーム実況といったジャンルは、再生回数を多く集めやすい反面、広告単価は比較的低めになることがあります。これは、主な視聴者層が若く購買力が低いとみなされたり、広告のターゲティング戦略が影響したりするためと考えられます。
教育系のジャンルなどは、視聴時間が長くなりやすく、広告収入だけでなくメンバーシップによる収入にもつながる可能性があります。
②動画の長さ
YouTubeでは、動画が8分以上になると、途中に広告（ミッドロール広告）を挿入されるようになります。これにより、広告表示の回数が増え、結果的に収益が上がるのです。
- 7分59秒の動画：冒頭の広告のみ
- 8分1秒の動画：冒頭の広告＋ミッドロール広告＋最後の広告
このとおり8分を少し超えるだけでも収入が大きく変わります。
さらに、ミッドロール広告は動画に集中しているタイミングで挿入されるため、広告効果が高く、CPM（広告単価）が高くなる傾向もあります。
③誰が動画を見ているのか？
YouTubeの広告収益は、単に再生回数だけで決まるわけではありません。「誰がその動画を見ているのか？」という視聴者属性が、広告単価に大きな影響を与えます。
主な視聴者属性として、以下の点が挙げられます。
- 年齢層による違い
広告主は、購買意欲が高く消費行動につながりやすい層に広告を届けたいと考えています。そのため、視聴者が10代中心の動画よりも、20〜40代の働く世代を多く含む動画のほうが、広告単価が高くなる傾向にあります。 - 地域による単価差
一般的に、アメリカや日本、カナダ、ドイツなどの先進国では広告単価が高く、東南アジアや中南米などの新興国では単価が低めです。 - デバイスの影響
特にパソコンからの視聴は、表示される広告の種類やクリック率が高く、収益性が上がりやすいという特徴があります。一方、スマホ視聴は全体の再生数こそ多いものの、スキップされる広告も多く、収益効率はやや低めになることがあります。
このように、同じ再生回数でも、視聴者の年齢・地域・デバイスによって広告単価が大きく異なり、収入にも大きな差が生まれるのがYouTubeの特徴です。
④動画がどのくらい視聴されたか
動画の「視聴時間」と「視聴維持率」も重要な要素です。
- 視聴時間（総再生時間）
動画が視聴された合計時間です。 - 視聴維持率
動画がどれくらいの割合、あるいは時間まで視聴され続けたかを示す指標です。
これらは、YouTubeのアルゴリズムが視聴時間と視聴維持率を高く評価する傾向があるため重要です。
上記の指標が高い動画は、「視聴者にとって魅力的で質の高いコンテンツである」と判断されやすく、YouTubeのおすすめ動画や関連動画として表示されやすくなります。これにより、さらに多くの人に見てもらえる機会が増え、結果的に再生回数や広告収入の増加に繋がる好循環が生まれます。
また、視聴維持率が高いということは、視聴者が動画を長く見てくれているということです。動画を最後まで見てもらうことは、広告表示の機会を増やすことにもつながります。
さらに、YouTube Premium加入ユーザーは広告が表示されませんが、これらのユーザーによる視聴時間もクリエイターの収益に貢献します。つまり、広告が表示されない場合でも、動画が長く視聴されるほど収益が増える仕組みがあります。
⑤広告単価と広告表示率
広告単価およびCPM（Cost Per Mille）は、1,000回広告が表示されたときの広告主の支払い額を指します。
YouTubeの収入もこのCPMをもとに決まりますが、同じ動画でもCPMがまったく違うことがあります。
さらに、実際に動画に広告が表示される「表示率」も重要です。CPMが高くても広告表示率が低ければ収益は上がりません。
広告収益以外の収入源もある？
YouTubeでの収入といえば「広告収入」が思い浮かぶかもしれませんが、実は広告以外にもさまざまな方法でお金を得ることができます。人気YouTuberの中には、広告収益以外の収入のほうが多い人もいるほどです。
ここでは、YouTuberが実際に活用している広告以外の代表的な収益源を3つ紹介します。
企業案件
企業案件とは、企業からの依頼で商品やサービスを紹介することで報酬がもらえる仕組みです。たとえば、
- 新しいスマホのレビュー
- アプリの使い方紹介
- 飲食店のPR動画
などを作ることで、動画1本あたり数万円〜数百万円の報酬が支払われることもあります。
企業にとっては、影響力のあるYouTuberに商品を紹介してもらうことで、多くの人に知ってもらえるメリットがあり、YouTuberにとっては大きな収入源になります。
企業案件の金額は、チャンネル登録者数・再生数や視聴者層、ジャンルや影響力などによって変わります。広告収入より安定しているケースも多く、人気が出ると企業案件の依頼が次々来ることもあります。
グッズ販売・投げ銭（スーパーチャット）
YouTuberの中には、自分のオリジナルグッズを販売して収益を得る人も多くいます。たとえば以下のような物です。
- Tシャツやパーカーなどのアパレル
- キャラクターグッズや文房具
- 限定アイテムやサイン入りグッズ
このようにファンとのつながりを大切にした商品が多く、熱心なファンが購入してくれます。
また、ライブ配信中に「スーパーチャット（通称スパチャ）」という投げ銭機能を使って収入を得ることもできます。
これは視聴者がYouTuberに「応援の気持ち」を込めてお金を送る仕組みで、1回の配信で数万円以上のスパチャが飛び交うこともあります。
メンバーシップやアフィリエイト
YouTubeには「チャンネルメンバーシップ」という機能があります。
- 月額料金（例：490円〜）を払ってもらい
- 限定の動画やスタンプ、特典を提供する
上記のようなサブスクリプション型の収益方法です。
ファンにとっては特別なコンテンツを楽しめるメリットがあり、YouTuber側も毎月安定した収入を得ることができます。
さらに、アフィリエイト（成果報酬型広告）を使って収益を得る方法もあります。
たとえば、動画の概要欄にAmazonや楽天のリンクを貼り、そこから商品が購入されると、売上の数％がYouTuberに還元される仕組みです。
この方法は、レビュー系やガジェット紹介系のYouTuberによく使われています。広告収入や企業案件と組み合わせて使えば、より効率的に収益を伸ばすことができます。
まとめ
YouTubeで100万回再生されると、通常動画ではおおよそ3万〜50万円程度の広告収益が得られると言われています。ただし、動画のジャンルや長さ、視聴者の属性、視聴維持率、広告単価（CPM）などの影響で、同じ再生回数でも収入は大きく変動するのが現実です。
さらに、ショート動画の場合は広告の仕組みが異なるため、100万回再生でも数百円〜数千円程度にとどまるケースがほとんどです。
また、広告収益だけでなく、企業案件（タイアップ）、グッズ販売やスーパーチャット、メンバーシップ、アフィリエイト など複数の収入源を持つことが、安定したYouTube収益化につながります。
